4日目・8月15日(木)
釜石−大槌−田老−岩泉小本−龍泉洞−盛岡

 釜石発6:57の宮古行き普通列車に乗り大槌へ。3駅先で15分ちょっとの乗車時間でしたが、普段なら通学客でそれなりに混んでいると
思われますが、この日は夏休み中という事で2両編成の列車の車内はガラガラ状態でした。


そしてこの列車の先頭車両はラグビーワールドカップのラッピング車両でした。
7:14に大槌に到着。大槌町は震災による津波により当時の町長を始めとする町の重役の多くが命を落とし壊滅的な被害を受けた地域
です。そんな大槌町の今を見てみたくて、滞在時間は1時間弱ですが寄ってみようと思いました。
大槌町には『ひょっこりひょうたん島』のモデルになったとされる瓢箪型の島がある事から、駅舎が瓢箪型をしています。
駅の屋上が展望台になっていて、その屋上に『ひょっこりひょうたん島』に登場するキャラクターの人形があり、展望台から街を見下ろし
ているようになっています。また、大槌町には48グループの震災復興プロジェクトで各グループのメンバーが訪れたようで、駅舎内に
あるカフェ(?)にメンバーのサイン色紙と写真が窓の所に飾ってあり、SKEのメンバーではチームEの末永桜花さんのサインがありまし
た。まずは駅の屋上から周辺を眺めました。
そして駅周辺を少し歩いてみたのですが、古い建物が全くない新しい建物ばかりの街という以外はここが津波でそれほど大きな被害を
受けた地域だとは思えないほど、初めてこの町を訪れた自分にはごく普通の街へと復興していると感じました。
その後、町役場の近くの代官所跡公園内に少し高くなった展望台のような所があったので上ってみました。
駅に戻り8:10発の久慈行きの列車に乗車。この列車は北リアス線の久慈まで直通の列車ということもあってか、釜石から大槌まで乗っ
た列車(宮古止まり)と約1時間しか時間が変わらないのにこちらの列車は座席がかなり埋まっていて立っている人もいました。
途中、三陸鉄道沿線最大の都市である宮古市の中心駅である宮古駅を通り、宮古から4駅先の田老に9:45に到着。田老での滞在時間
は1時間18分です。
田老も津波で大きな被害を受けた地域の1つで、ここには『万里の長城』と呼ばれる巨大な防潮堤がありますが、その防潮堤を超え、
また一部が決壊し大きな被害を受けました。田老ではその防潮堤を見るのと、駅から1キロほど離れた所にある道の駅へ行くために
下車しました。

田老駅

まずは『道の駅 たろう』へ。防潮堤はそのすぐ近くにあり、その海側には新たな防潮堤も建設されているところでした。

道の駅 たろう

ここで少し早めの昼食を食べることに。売店で塩ウニおにぎり、ワカメおにぎり、長芋フライを買い、それを道の駅内の休憩所で食べま
した。
その後、外の売店で売っていたタコの代わりに茎わかめの入った『真崎焼き』が気になったので買って食べました。
左側にマヨネーズが中途半端に少しだけかかっていますが、これは注文の際に店員が「ソースマヨネーズと柚子ポン酢がありますが」
と言うので、私はソース、マヨネーズ、柚子、ポン酢の4種類があると思い「ソースで」と注文したのですが、ソースの後にマヨネーズを
かけだして思わず「あっ!」と声を出し(私はマヨネーズが苦手なので)、それでこんな風になってしまいました。その店員がまた1から
ソースだけをかけようとしていてそれでは最初のやつが無駄になってしまうので慌てて「大丈夫です!」と言ってマヨネーズが少しかかっ
た状態のものを引き取りました。
列車の時刻まで余裕がなかったので、急いで防潮堤の上に上り写真を撮りました。防潮堤の手前には球場がありました。


小走りで駅へ向かっている途中、三陸鉄道の高架橋上に駅のようなものが見えて「あんな所に駅がある訳がないし何だろ?」と疑問に
思いました。そして田老発11:03の久慈行きの列車に乗りその付近を通過する時によく見てみると、『新田老』という駅名看板があり、
田老の街の中心部に近いその場所に新駅が出来るようでした。もしこの駅が既に開業していたら道の駅や防潮堤をもう少しゆっくりと
見れたのにと思ってしまいました。
11:17に岩泉小本に到着。この駅でバスに乗り換えて龍泉洞へ行くのですが、まだこの駅の駅名が『小本』だった頃の1992年の8月に
もこの駅で下車してタクシーで龍泉洞へ行っています。自分の感覚では15年くらい前の出来事のような感じなのですが、もう27年も経っ
ていることに驚いてしまいます。その時のちょっとしたエピソードですが、時刻表で調べたはずの龍泉洞方面へ行くバスが出てなくて
「あれ?何でバスが出てないんだ?」と外のベンチで持参した大型の時刻表を見たけどその理由が分からず、結局タクシーで龍泉洞へ
行きました。(帰りはバス)その際、タクシーの運転手が「バカでかい時刻表(自分にとってはごく普通の大型時刻表)を見てる人がいる
な」と思っていたそうです。
この日の宮古市や岩泉町の1時間毎の天気予報では1日中曇りマークだったのに、田老に居た頃から晴れだし、この日はこの後ずっと
晴れていました。曇り予報だったため日焼け止めも塗ってこなくてこの日だけでかなり肌を焼いてしまいました。

 11:50発のバスに乗り12:16に龍泉洞に到着。今回27年ぶりに龍泉洞に来ようと思ったのにはある理由があります。それは前回来た時
も盆休み中だったのですが、帰りのバスの時間に余裕がなく、見学できる洞窟内を全て観ることができず止む無く途中の「抜け道」から
出てきてしまったため、今回は見学できる洞窟内を全て観るために時間に余裕のある計画を立てたのです。今回の龍泉洞での滞在
時間は3時間44分あります。
バッグをコインロッカーに入れて身軽になってから洞内へ。旅行2日目以降ずっと大きなバッグを持ったまま色んな所を回っていたので
久しぶりに身軽になれてとても快適でした。


龍泉洞といえば世界でも屈指の透明度だという地底湖が目玉なのですが、水が綺麗すぎてそこまでの深さを感じませんでした。洞内の
温度は11℃台で半袖では寒いくらいでしたが、外は30℃前後で暑かったので、中に入った直後は気持ち良く、途中で寒くなってきて、
最後の方は慣れてきました。
そして27年前に時間の都合で行けなかった「抜け道」より後の洞窟ですが、調査のため(?)先には行けず、結局27年前に抜け道として
使われていた所から外に出ました。中に居た時間は約30分ほどでした。
龍泉洞から出てから、龍泉洞に着いた時に気になっていたヨーグルト味の『初恋ソフト』を食べました。
その後、道路を挟んで向かい側にある新洞科学館へ。ここは龍泉洞のもう1つの洞窟で、中に展示物がある博物館のようになっていま
す。新洞科学館内は撮影禁止でした。27年前に来た時には新洞科学館には入ったかよく覚えていません。
新洞科学館隣の土産店でお土産を見たりブルーベリーのソフトクリームを食べたりした後龍泉洞の前に戻り、バスの時間までまだ
2時間近くあったので渓流を利用した天然の釣り堀で釣りをしている様子を見たり、日陰のベンチでスマホを見たりして時間を潰し、
16:00発の盛岡行きのバスに乗りました。このバスを待っている時に直射日光の当たる場所で10分以上立っていて日焼けしてしまいま
した。
龍泉洞を出発した時点でこのバスの乗車率は4割〜5割程度で自分の隣は誰も座っていませんでした。このバスの利用者の大部分は
龍泉洞から盛岡へ行く観光客だと思っていたので、龍泉洞を出発した時点でもう隣は誰も来ないだろうと思い安心して隣の席に旅行
バッグを置いたのですが、その後途中のバス停から少しずつ乗客が増え、マズいと思い途中からバッグを膝の上に置きました。
バスの席の上にある狭い荷棚にあのバッグは入りませんでした。自分以外にも大きい荷物を持った乗客が何人かいてそのうちの1人が
途中の休憩場所で運転手に「外にトランクに荷物を入れられませんか?」と訊いていて、荷物を入れてもらっていたのですが、龍泉洞
を出発する前にトランクを開放していれば自分も入れたのに!と思いました。この時は後ろの方の席だったため、トランクに荷物を入れ
ることを断念し、その後も旅行バッグを膝の上に置いたまま席に座っていました。結局盛岡に着くまで自分の隣の席には誰も座りません
でしたが、まだ誰かが乗ってくる可能性のある状況で席に荷物を置くのはマナー違反だと思ったので。最終的にこのバスの乗車率は
7割〜8割くらいまで増えました。

 バスには2時間ちょっと乗り、18:13に盛岡駅前に到着。
一旦駅に寄って駅弁を買ってからホテルへ。駅弁を食べてから少し休み、再び駅へ行き時刻表を見て明日の予定を立て直しました。
というのは旅行最終日の明日は七戸十和田の駅前でレンタカーを借りて十和田湖を一周するのですが、台風が迫っていて13時頃から
雨が降る予報になっていたため、予定よりも早めに車を返し、一旦盛岡に戻ってきてからお土産を買う予定に変更するため、列車の
時刻を調べたのです。そのため、当初七戸十和田から乗る予定だった帰りの新幹線『はやぶさ』を盛岡から乗ることに。(新幹線の
指定席特急券は変更なしでそのままで)その後、駅の中で明日買うお土産をどれにしようかという事を含め見て回ったのですが、その中
で特に気になったのが駅内のコンビニに売っていたラグビーボール型のクッションでした。ラグビーワールドカップが岩手県で開催され
るのを記念した岩手限定のグッズだと思うのですが、触ってみたらフカフカで気持ち良かったので絶対買って帰ろうと思いました。

 その後、ホテル近くの店で盛岡じゃじゃ麺を食べ、コンビニで明日の朝食を買ってからホテルに戻りました。

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